1) N. Takeda, Y. Tanaka, F. Sakakibara and M. Unno, Bull. Chem. Soc. Jpn., 83, 157-164 (2010).
2) N. Takeda, Y. Tanaka, R. Oma, F. Sakakibara and M. Unno, Bull. Chem. Soc. Jpn., in press.
新規なSiS3型三脚型四座配位子とその遷移金属錯体の合成
近年,ピンサー型シリル配位子を有する遷移金属錯体の合成やそれらを用いた触媒反応について盛んに研究が行われている。しかしながら,シリル部位を有する三脚型四座配位子に関しては,1つのシリル部位と3つのホスフィン部位を有するSiP3型配位子が数例報告されているものの,その他の配位子に関してはほとんど報告されていない。
本研究では,1つのシリル部位と3つのチオエーテル部位を有するSiS3型三脚型四座配位子の前駆体であるヒドロシラン1を合成し,1と種々の遷移金属錯体との反応について検討を行った。その結果,対応するイリジウム(III)錯体2および白金(II)錯体3の合成に成功し,これらの構造を各種スペクトルおよびX線結晶構造解析により明らかにした。また,ヒドロシラン1と[PdCl2(PhCN)2]との反応においては,Si-C結合の切断反応が進行し,2核錯体4が得られることを明らかにした。
N. Takeda, D. Watanabe, T. Nakamura, and M. Unno, Organometallics, 29, 2839-2841 (2010).
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